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■「表現と理解」の授業シラバス
《目的》
戦争の理由に善悪はない。戦う理由は互いの「善」である。環境の問題において「正しい答え」があるとすればそれは方向性のみ。何らかの解決策に到達することは極めて困難なレベルに至っている。債務と貧困に象徴される世界経済の問題ではその方向性すら見えてこない。今、人類が抱える問題の多くは最早「正解」というものを持ち合わせていないのかも知れない。
一方で特に今世紀、国籍や人種・民族を超えた相互理解のムーブメントが活発となった。様々な国際NGOの活動やインターネットを介した市民レベルのグローバルな運動に顕著である。それは国際紛争や地球環境、飢餓貧困などの問題が一国家の処理能力を超えたことを意味するばかりでなく、真の解決は人間の「個」のレベルにも存在することを物語っている。
このように世界の様々な問題は、徒に「善」や「正義」を振りかざすのではなく、当事者が相互に理解し合意を形成する、或いはその姿勢を示しあうところからしか解決への糸口は見出せないだろう。それは9.11以降の暴力の連鎖、パレスチナ情勢を見るまでもなく明白である。人類が真の平和を実現し自然と一体となった永続的な文明を手にするためには、マクロではなくミクロのレベルで、「正解」ではなく「共通解」を見出すことが重要なのである。互いの立場を尊重し理解し合う努力を続けること、そして何らかの均衡をもった「合意」に到達することが求められるのだ。近代が歩んできた競争と成長の時代はここに来て大きく方向転換を迫られているのではないだろうか。
この授業の目的は、このような認識に立ち、その根幹ともいえる「相互理解と合意形成」を新しい21世紀のパラダイムと位置付け、今世紀を担って行く者としてその意義を体得することにある。目標は次の2点。
@自己の表現と他者の理解を通して、各々の「個の尊重」を体験的に学ぶこと。
A相互理解と合意形成という作業を通して、コミュニケーションのスキルを身に付ける
とともにその感性を磨くこと。
《概要》
自己認識から個性の理解、個人表現、さらにグループによる共同作業など、表現と理解のさまざまな段階をアクティビティやワークショップを通して体験する。
《構成》
○1回 導入(ガイダンス)/授業の目的と概要を説明する
・趣旨説明
・アイスブレイク
・プログラムの把握
○2回 自己認識1/簡単なアクティビティーを通して自己について考える
・アクティビティ「私の原風景」「My Life」
○3回 自己認識2、個人表現1/他者との関わりの中で自己の認識を深める
・アクティビティ「ゴーイングドッティ」「佐渡の老婆」
○4回 個人表現2/テーマトーク
・アクティビティ「これが欲しい」「ラクの物語」
○5回 レクチャー1/身のまわりを見つめ生き方を考える
・テーマ:地球環境の現状
○6回 レクチャー2/身のまわりを見つめ生き方を考える
・テーマ:世界経済、戦争と平和について
・大学で何を学ぶか
○7回 コンセンサス実習/ゲームを通して合意形成のプロセスを体験する
・アクティビティ「NASA Game」
○8回 グループ表現1/体験学習プログラムの事例を紹介する
・プログラムの目的と手法、類型
・アクティビティ制作のヒント
○9回 グループ表現2/ワークショップの為のグループ分けを行う
・ブレインストーミング(テーマ出し)
・グルーピング(人間KJ法)→5グループ
○10回 グループ表現3/グループディスカッションを通してテーマを共有する
・テーマの共有と目標の具体化
・表現手法の検討
・企画のまとめ
○11回 グループ表現4/制作
・シナリオ作り、素材集め、組み立て、演出
・作業分担、タイムキープ、リハーサル
○12回 グループ表現5/プレゼンテーション1
・アクティビティの実施(3グループ)
○13回 グループ表現6/プレゼンテーション2
・アクティビティの実施(2グループ)
・批評
・シェアリング(ふりかえりと分かち合い) /完
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